貴州・湖南を巡る旅。4日目(鳳凰)
Schedule
1日目
関西→(中国南方航空)→長沙
長沙(泊)
2日目
長沙→(高速鉄道)→貴陽
貴陽(泊)
3日目
貴陽
貴陽(泊)
4日目
貴陽→(天津航空)→銅仁→鳳凰
鳳凰(泊)
5日目
鳳凰→銅仁→鎮遠
鎮遠(泊)
6日目
鎮遠→凱里→長沙
長沙(泊)
7日目
長沙→(中国南方航空)→関西
鳳凰古城は、中国で最も美しいと賞賛される古城の一つである。
春秋戦国時代から清代に至るまで、軍事政治の中心地として栄えた当時の面影がそのまま残す古城としても知られている。
中華人民共和国が成立してからは、湘西苗区の政治、経済、文化の中心としての役割を果たしており、トゥチャ族とミャオ族が人口の半分以上を占める。
鳳凰古城は、湖南省の西の果て湘西トゥチャ族ミャオ族自治州鳳凰県にある。
古城の真ん中を貫くように流れる川には、この古城を訪れた観光客を乗せた小舟が多数見られ、石を飛び飛びに設置して古城の両岸を結ぶ橋の役割を果たす「跳石」を、恐る恐る渡る者あれば、まるで牛若丸のごとく ヒョイヒョイ と、軽く渡る者もいた。
川沿いの細道には、夕陽で川面が橙色に染まる景色を、ただジーッと眺める者あれば、スマホで撮影に励むものもいた。
古城内は、川に直接杭を打つ高床式建築様式の「吊脚楼」。
水面には、川から吊り下げられているかのように映るその姿は実に見事なものだ。
鳳凰古城内には、そういった建物の様式的な理由からか、ホテルよりも客銭といわれる宿泊施設の方が多く見られる。
また数多くの飲食店と、お土産物を扱う商店がひしめき合い、鳳凰を訪れた観光客で、実に賑やかであった。
嵐のような雨が降る中、鳳凰古城にたどり着いた。
予約していた客銭にチェックインをして荷物をあずけて、しばしの雨宿りとした。
降っていた雨もひと段落。
古城のさらに内部へと足を運んだ。
古城内の散策には、チケットが必要で各所に検察があり、通るたびにチケットのチェックがある。
チケットは、148元。
しかし、「人民網」によると以下のとおり、2016年の4月からは無料になったらしい。
世間の注目を集めていた「鳳凰古城の入場料無料化」をめぐる問題に、とうとう結論が出た。湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州鳳凰県委員会宣伝部は28日、2016年4月10日より、鳳凰古城がこれまで観光客から徴収していた、観光地エリアに入るための入場料148元(約2600円)を無料化することを明らかにした。これにより、過去3年間実施されていた同観光地の入場料徴収制度にピリオドが打たれることとなった。広州日報が報じた。
鳳凰県政府は27日、「観光エリアにおける入場料徴収の暫定停止と各観光スポットにおける入場料徴収制保留に関する鳳凰県人民政府の文書」を発表した。同文書によると、4月10日より、鳳凰古城観光エリアに入るための入場料の徴収を暫定的に取りやめるが、各観光スポットへの入場には引き続き入場料を徴収する方針という。今回の措置により、鳳凰古城を訪れる観光客は、エリア全体のセット入場料148元を支払う必要はなくなり、個別の観光スポットに入る場合にのみ、それぞれの入場料を支払うだけで済むようになる。つまり、観光スポットに入るつもりがなければ、無料で鳳凰古城エリア全体の観光を楽しめるようになる。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年3月29日
古城の外から眺めた「跳石」。
渡ってみたが、思いのほか足の踏み場が狭く、緩やかに流れていたかのように見えた川の流れは、想像以上の激しさで、ついつい足がすくんでしまう。
後ろからは、同じく対岸へ渡ろうかとしている人がどんどんと迫って来る。
前に進むしかないのだ。
奈良県の十津川村に架かる吊り橋を思い出した。
少し歩いただけで、上下に激しく揺れる吊り橋を、慣れた人などは自転車で渡るのだ。
それに似たものがあった。
川の真ん中に、差し掛かったところで一息ついた。
ここまで息を止めて、ただ目の前の足場だけを見て、着実に一歩ずつ足を進めてきた。
一旦休憩しよう。限界だ。
足を止めた場所から眺めた夕陽にやける古城は本当に美しく、それ以外に適当な言葉が見当たらなかった。
古城内には、トゥチャ族とミャオ族の行商が、特産品を売り歩いたりと異世界感を満載に醸し出している。
川沿いは、「吊脚楼」の建物が多いが、川から離れた場所は石づくりの建物が多く、古く剥がれかけた壁が、ノスタルジーな雰囲気に誘ってくれる。
古城内を歩き回って、川沿いに戻ってくると、古城がカラフルにライトアップされていた。
川沿いには酒場街があり、大音量で入り混じるロックミュージック。酒場の呼び込みや、酒場に入るかはいらないか迷う観光客の団体で、川沿いの酒場街は混み合っていた。
その光景は、夕方に見た古城とはまるで別物だった。
私は、夕方に見た古城が好きだ。
川沿いにずらりと並ぶ「吊脚楼」。
夕陽に照らされ黄金色に光り輝く「沱江河」。
夜になると、ネオンと大音量のミュージックで盛り上がる酒場街。
ネオンを照らしてカラフルに輝く水面と、夜になるとさらにスリルがアップする「跳石」。
ライトアップされた古城を眺める人の後ろから眺める私。
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